SASE導入時の設計ポイント:社外の通信とプロキシ廃止¶
最終確認: 2026-09-29
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30秒で復習¶
- 社外のWi-Fiから直接インターネットに出ていた通信も、エージェントですべてSASE経由にできる。場所に関係なく同じルールで検査・記録できる。
- Teamsの音声・映像などは、SASEを通さず直接接続させる(バイパス)ことが多い。
- 既存のプロキシは最終的に廃止できることが多いが、プロキシに依存しているものを棚卸しして段階的に移行する。
- エージェント・SASE障害時の動作(fail-close / fail-open)を事前に決めておく。
質問:社外(自宅・カフェ等)のWi-Fiから直接インターネットに出ていた通信も、すべてSASE経由にできる?¶
答え: できる。会社のPCに入れたSASEエージェントが、どのWi-Fiにつないでも通信を自動で近くのPoPへ転送するため、場所に関係なく同じルールで検査・記録できる。これまで社外では「無防備な直接接続」だった部分をカバーできるのが、SASEの大きなメリット。
従来:PC → カフェのWi-Fi → インターネット(会社のチェックなし・ログなし)
SASE:PC → カフェのWi-Fi → SASEのPoP(SWG等で検査) → インターネット
設計時の注意点¶
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 転送範囲 | 「全通信」「Webだけ」「社内アプリ(ZTNA)だけ」など、どこまでSASEに通すかを選べる |
| 例外(バイパス) | Teamsの音声・映像など遅延に弱い通信は、SASEを通さず直接接続させることがある |
| キャプティブポータル | ホテルや空港のWi-Fiのログイン画面が、エージェントのせいで表示されないことがある。多くの製品に検出して一時的に通す機能がある |
| 対象端末 | 対象は基本的にエージェントを入れた会社管理の端末。私物端末やスマホは別の方式(ブラウザ経由のアクセス、MDMでの構成など)を検討する |
| エージェント停止時 | ユーザーがエージェントを止められないようにし、止まった場合に通信させるかどうか(fail-close / fail-open)を決める |
質問:既存のプロキシサーバーは廃止しても問題ない?¶
答え: SWGは「クラウド版のプロキシ」なので、最終的には廃止できるケースが多い。ただし、いきなり全部やめるのはNG。プロキシに依存しているものを棚卸ししてから段階的に移行する。
廃止前のチェック項目¶
| チェック項目 | なぜ困るか | 対策の例 |
|---|---|---|
| サーバー・業務システム | サーバーはエージェントを入れにくく、プロキシ経由でWindows Updateや外部APIへ通信していることがある | 拠点トンネル経由にする、SASEのサーバー向け機能を使う |
| 送信元IPの固定 | 取引先やSaaSが「自社プロキシのIPからだけ許可」としている | SASEの専用送信元IP(Dedicated IP)を用意し、相手先の許可リストを変更してもらう |
| エージェントを入れられない機器 | 複合機・IoT・工場の機器など | 拠点トンネルでカバーする |
| PACファイル・プロキシの直書き | 古いアプリがプロキシのホスト名とポートを決め打ちしている | 設定を洗い出して修正する |
| SSL/TLS検査の証明書 | 検査用ルート証明書を配らないと証明書エラーが大量に出る | Intune等で事前配布し、検査対象外(金融・医療サイト等)も設計する |
| ログの保管 | 監査・法令対応で「プロキシログを◯年保管」というルールがある | SASEのログ保管期間を確認し、足りなければSIEMへ転送する |
| HTTP/HTTPS以外の通信 | FTPや独自プロトコルなど | FWaaSで扱えるか確認する |
※ 外部から社内システムを公開するリバースプロキシは別物。ZTNAやアプリプロキシへの置き換えを別に検討する。
進め方¶
- ログから棚卸し:今のプロキシログで「誰が・何が・どこへ」通信しているかを洗い出す
- パイロット導入:IT部門など一部のユーザーだけSASEに切り替える
- 並行運用:しばらく両方を動かし、「プロキシにしか来ない通信」を探す
- プロキシへの通信がほぼゼロになったら廃止
見落としがちな点¶
- エージェント・SASE障害時の動作:通信させない(fail-close)か、直接通信させる(fail-open)かを、安全性と業務継続のバランスで決めておく。
- コストは全体で比較:プロキシ単体ではなく、VPN装置・拠点ファイアウォール・保守費・回線もまとめて減らせるかで判断する。
確認したいこと¶
- Microsoft 365 の通信を SASE 経由にするか、直接接続にするか
- 既存プロキシに依存しているサーバー・機器・送信元IP制限・PACファイルはどれくらいあるか
- 障害時は fail-close と fail-open のどちらにするか