DoS・DDoS攻撃とは?サービスを止める攻撃と守り方¶
最終確認: 2026-10-28
30秒で復習¶
- DoS(ドス)攻撃=大量の通信や重い処理を送りつけて、サービスを使えなくする攻撃。 たくさんの機器から一斉に行うのが DDoS(ディードス)。
- 狙う場所で3種類:回線を詰まらせる(帯域型)・通信の受付を埋める(プロトコル型、SYN フラッドなど)・アプリに重い処理をさせる(アプリ層型、HTTP フラッドなど)。
- 攻撃の元は、乗っ取られた PC・IoT 機器(カメラ・ルーター)の集まり=ボットネット。お金を払えば誰でも借りられる。
- 反射・増幅攻撃:送信元を被害者に偽って、DNS などに小さな問い合わせを送り、何十倍〜何万倍の返事を被害者に浴びせる。
- 目的は妨害・抗議・脅迫(ランサム DDoS)、そしてほかの攻撃から目をそらす陽動。
- 守りは、自社の回線の手前で吸収する CDN・DDoS 対策サービス、WAF とレート制限、手順を決めておくこと。自社の機器が踏み台にならないことも大事。
- 覚え方:「回線・受付・窓口を詰まらせる。手前の大きな防波堤で受ける」
こんな場面で出会う¶
- 「○○のサイトが DDoS 攻撃で一時つながらない」というニュース
- Cloudflare などで「アクセスを確認しています…」という画面が一瞬出る
- 自社のルーターや DNS サーバーが、知らないうちに攻撃に使われていたと連絡が来る
用語の正式名称と読み方¶
| 用語 | 読み方・正式名称 | 意味 |
|---|---|---|
| DoS 攻撃 | Denial of Service(ドス) | サービスを使えなくする攻撃 |
| DDoS 攻撃 | Distributed Denial of Service(ディードス) | たくさんの機器から一斉に行う DoS 攻撃 |
| ボットネット | botnet | 攻撃者の命令で一斉に動く、乗っ取られた機器の集まり |
| SYN フラッド | SYN flood | 通信の始まりの合図(SYN)だけを大量に送り、受付を埋める攻撃 |
| 反射・増幅攻撃 | reflection / amplification | 送信元を偽った小さな問い合わせで、大きな返事を被害者に送らせる攻撃 |
| CDN | Content Delivery Network | 世界中の拠点からコンテンツを配る仕組み。DDoS も手前で受け止める |
| レート制限 | rate limiting | 同じ相手からの要求の回数を、一定時間あたりで制限すること |
| IoT | Internet of Things | ネットにつながるカメラ・ルーター・家電など |
| オープンリゾルバー | open resolver | 誰からの問い合わせにも答えてしまう DNS サーバー。増幅攻撃に使われる |
質問:DoS 攻撃にはどんな種類がある?¶
答え: 「どこを詰まらせるか」で3つに分かれる。お店にたとえると、道路を渋滞させる・入口の受付を埋める・窓口に面倒な注文を出し続ける。
| 種類 | 何を狙う | 例 | 守り |
|---|---|---|---|
| 帯域型(ボリューム型) | 回線の太さ | UDP フラッド、反射・増幅攻撃 | 自社の回線の手前で吸収(CDN・DDoS 対策サービス・回線事業者) |
| プロトコル型 | ファイアウォール・サーバーの「接続の受付表」 | SYN フラッド | SYN クッキーなどの機能、対策サービス |
| アプリ層型 | Web アプリの重い処理 | HTTP フラッド(検索・ログインを大量に) | WAF・レート制限、キャッシュ、ボット判定 |
- アプリ層型は、通信量は少なくても止められる。普通のアクセスと見分けにくいので、いちばんやっかい。
質問:反射・増幅攻撃とは?¶
答え: 攻撃者は送信元のアドレスを被害者に偽って、DNS などのサーバーに小さな問い合わせを送る。サーバーは大きな返事を被害者に送ってしまう。攻撃者は少ない通信で、大きな攻撃ができる。
- 増幅に使われるのは、誰にでも答えるサーバー(オープンリゾルバーの DNS、NTP、memcached など)。
- 自社の DNS や機器が誰にでも答える設定になっていると、知らないうちに攻撃の加害者側になる。
質問:どう守る?¶
| 守り | 防げるもの |
|---|---|
| CDN・DDoS 対策サービスの後ろにサイトを置く(このサイトも Cloudflare の後ろにある) | 帯域型・プロトコル型。巨大な通信を手前で吸収 |
| サーバーの本当のアドレス(オリジン)を隠す、CDN からの通信だけ受ける | CDN を飛ばした直接攻撃 |
| WAF・レート制限・ボット判定 | アプリ層型 |
| 回線事業者の DDoS 対策メニュー | 回線そのものの詰まり |
| 手順(ランブック):誰に連絡し、何を切り替えるか | 慌てて対応が遅れること |
| 自社の DNS をオープンにしない、IoT 機器の初期パスワードを変える | 自社が踏み台・ボットになること |
脅迫されたら
「払わないと DDoS をかける」というメール(ランサム DDoS)は、実際には攻撃しないことも多い。払わずに、対策サービスの準備と、関係先・警察への相談を進める。
具体例¶
| 場面 | どうする |
|---|---|
| 自社サイトが急に重い・つながらない | アクセスの急増か攻撃かをログで確認。CDN・対策サービスの「攻撃を受けている」モードに切り替え |
| ログイン画面に大量のアクセス | レート制限・ボット判定(あわせてパスワードスプレーも疑う) |
| 「お宅の DNS が攻撃に使われています」と連絡 | 社外からの問い合わせに答えない設定に直す |
| 社内のネットワークカメラが初期パスワードのまま | すぐ変える。外から管理画面に入れないようにする |
関連メモ¶
確認したいこと¶
- 公開している Web サイト・サービスは、CDN や DDoS 対策サービスの後ろにあるか
- サーバーの本当のアドレスは、外から直接つながらないようになっているか
- DDoS を受けたときの連絡先(回線事業者・対策サービス・社内)と手順は決まっているか
- 社内の DNS・IoT 機器が、外から使われる設定になっていないか