マルウェアとは?種類と入り口、ランサムウェアの今の手口¶
最終確認: 2026-10-28
30秒で復習¶
- マルウェア=悪意のあるソフトウェアの総称。 ウイルスは、その中の1種類。
- 種類は「何をするか」で覚える:増える(ウイルス・ワーム)、化ける(トロイの木馬)、盗む(インフォスティーラー・スパイウェア)、操る(RAT・ボット)、人質にとる(ランサムウェア)。
- 入り口の多くはメール(添付・リンク)と偽のソフト・広告、そして更新していない機器の弱点。
- 今のランサムウェアは、暗号化の前にデータを盗み、「払わないと公開する」と二重に脅す。バックアップも先に消しに来る。
- 守りは、EDR・すぐパッチ・マクロなどを止める・権限を小さく・消されないバックアップ。
- 感染したかもと思ったら、ネットワークから外して報告(電源は切らない)。
- 覚え方:「増える・化ける・盗む・操る・人質にとる」
こんな場面で出会う¶
- 請求書や宅配の通知を装ったメールに、Word・Excel・ZIP が添付されている
- 「あなたの PC はウイルスに感染しています」という偽の警告がブラウザに出る
- ニュースで「ランサムウェアで病院・工場が停止」と見る
用語の正式名称と読み方¶
| 用語 | 読み方・正式名称 | 意味 |
|---|---|---|
| マルウェア | malware(malicious software) | 悪意のあるソフトウェアの総称 |
| ウイルス | virus | ほかのファイルに寄生して広がるマルウェア |
| ワーム | worm | ネットワークを通じて、自分で次々に広がるマルウェア |
| トロイの木馬 | trojan | 便利なソフトのふりをして入り込むマルウェア |
| ランサムウェア | ransomware | ファイルを暗号化したり盗んだりして、身代金を要求するマルウェア |
| インフォスティーラー | infostealer | ブラウザに保存されたパスワードや Cookie を盗むマルウェア |
| RAT | Remote Access Trojan(ラット) | 攻撃者が PC を遠隔操作するためのマルウェア |
| ボット | bot | 攻撃者の命令で動くように乗っ取られた機器。集まったものがボットネット |
| EDR | Endpoint Detection and Response | PC やサーバーの怪しい動きを検知し、隔離などをするソフト |
| RaaS | Ransomware as a Service(ラース) | ランサムウェアを、ほかの犯罪者に貸し出す仕組み |
質問:マルウェアにはどんな種類がある?¶
答え: 名前より「何をするか」で分けると覚えやすい。実際のマルウェアは、いくつかを組み合わせて持っている。
| 種類 | 何をする | 例 |
|---|---|---|
| ウイルス | ほかのファイルに寄生して広がる | 昔ながらの感染型 |
| ワーム | ネットワーク越しに自分で広がる | 弱点のある PC に次々と感染 |
| トロイの木馬 | 便利なソフト・請求書のふりをして入る | 偽のアップデート、偽の請求書 |
| インフォスティーラー | パスワード・Cookie・暗号資産を盗む | 盗んだ情報は闇市場で売られ、次の侵入に使われる |
| RAT・ボット | 攻撃者の命令(C2)で遠隔操作される | 情報を盗む・スパムを送る・DDoS に参加 |
| ランサムウェア | ファイルを暗号化・盗んで脅す | 企業の全サーバーを止める |
| ファイルレス | ファイルを置かず、PowerShell など正規の道具で動く | ウイルス対策ソフトのファイル検査をすり抜けやすい |
質問:どこから入ってくる?¶
答え: いちばん多いのは人が開くことで入るもの。次に、弱点のある機器から入るもの。
| 入り口 | 例 | 守り |
|---|---|---|
| メールの添付・リンク | Office のマクロ、ZIP の中のショートカット、偽のログインページ | 添付の検査、マクロを止める、フィッシング対策 |
| 偽のソフト・広告 | 検索広告から偽のダウンロードサイトへ(マルバタイジング) | ソフトは決まった場所からだけ入れる、SWG |
| 機器の弱点 | 更新していない VPN 装置・サーバー | すぐパッチ、外から見える機器を減らす |
| 盗んだパスワード | RDP・VPN にそのままログインして手で仕込む | MFA、RDP を外に出さない |
| USB・取引先 | 持ち込みの USB、取引先から届いたファイル、ソフトの更新に混ぜる(サプライチェーン) | USB の制限、取引先との取り決め |
質問:ランサムウェアは今どうやって攻めてくる?¶
答え: 昔は「PC 1台を暗号化して脅す」だったが、今は会社ごと狙う。人が手で侵入して、準備を整えてから一斉に暗号化する。
- フィッシングや VPN の弱点から侵入する
- 管理者の権限を奪い、社内に広げる(横展開)
- バックアップを消す・壊す
- データを外へ持ち出す
-
全サーバーを一斉に暗号化し、「払わないと公開する」と脅す(二重脅迫)
-
払っても戻る保証はなく、データも消される保証はない。払うと「払う会社」として再び狙われやすい。
- だから「消されないバックアップから戻せる」ことがいちばんの交渉材料になる。
感染したかもと思ったら
ネットワークから外す(LAN ケーブルを抜く・Wi-Fi を切る)。電源は切らない(調査に必要な情報がメモリに残っている)。そしてすぐ報告する。「自分のせいで…」と隠すのがいちばん被害を広げる。
質問:どう守る?¶
| 守り | 防げるもの |
|---|---|
| EDR を入れて、怪しい動きを見張る・隔離する | ファイルレス、手での侵入、ランサムウェアの暗号化 |
| すぐパッチ(特に VPN 装置・外から見えるサーバー) | ワーム、機器の弱点からの侵入 |
| ネットから来た Office ファイルのマクロを止める、怪しい拡張子を止める | 添付ファイルからの感染 |
| 普段は管理者権限で作業しない | 感染したときの被害の広がり |
| 書き換えられない・オフラインのバックアップと、戻す訓練 | ランサムウェアの暗号化 |
| アプリの許可リスト(決まったソフトだけ動かす) | 偽のソフト |
具体例¶
| 場面 | どうする |
|---|---|
| 「請求書です」と ZIP が届いた | 開く前に、送り主に別の手段で確認。迷ったら報告 |
| ブラウザに「ウイルスに感染しました。今すぐ電話を」と出た | 偽の警告(サポート詐欺)。電話しない。ブラウザを閉じる |
| ソフトを検索して、広告のサイトから入れようとしている | 公式サイト・社内の配布場所から入れる |
| 夜中にファイルの名前が次々に変わっている | ランサムウェアの暗号化の可能性。ネットワークから外して報告 |
関連メモ¶
確認したいこと¶
- 会社の PC とサーバーに EDR は入っているか。アラートは誰が見ているか
- ネットから来た Office ファイルのマクロは止まっているか
- バックアップは、管理者アカウントでも消せない形になっているか。戻す訓練をしたか
- 感染を疑ったときの連絡先と手順は、全員が知っているか